私はアラフォーですが、20代後半から10年以上事務の仕事の経験があります。ずっと同じ会社ではなく途中に工場作業をやっていたこともありますから複数社で通算10年という感じです。内容は主に経理と総務です。
基本的にこの辺の業務というのは人事も兼ねていることが多く、私の経験としては採否を決める立場までは無いのですが、求人申し込みの受付や採用担当者への取次ぎや求職者への連絡、といった業務までは経験しています。
「この人はちょっとオーバースペックだなぁ・・・」というちょっとレアな採用担当者の意見も間近で見ていますから、男女差をはじめ採用担当者がどんな具合に採否で頭を悩ませているか、経験から解説していきます。
・30〜40代の男性
・男性で事務の仕事に興味があるけど、事務職に男がいるイメージがない
・事務職へ応募したいけど、面接時やハローワークの人に「女性向けの求人ですよ」と言われそうで不安
・実際に応募して「男性はちょっと・・・」という空気を感じた
男性は事務の仕事に受からない!?:理由を解説

- 昔から女性のイメージがある
- 管理部門であること
- デスクワークだから
- 扶養内
- 男性は事務職に応募しない方がいい?
まず始めに男性の事務員が少ない、少ないイメージがある理由を解説します。
昔から女性のイメージがある
結局これが根底です。そもそも女性メインで固めているので、そこに「男性を入れよう!」とはなかなかなりません。もちろん人手不足やまとめ役として男性が入っているケースはありますし昔より男性は全然増えています。
しかし逆転して男性メインになる程ではありません。あえて男性を増やそうとする意味がなければこの風潮もすぐには変わらないでしょう。
新しくできる会社があったとしても、会社を作った人が「営業マンを3人、事務員を2人配置しよう」と考えたとして、「事務の人はどんな人がいいかな、、まぁ女性かな?」と特段こだわりがなければ昔からの印象通り話は進んでいきます。字が綺麗そう、来客時に最初に応対する会社の顔だから優しい印象がいい、等昔からのイメージは、男女平等や多様性が強く言われる今も普通に残っているということです。
管理部門であること
そもそも会社って、何か商品やサービスを作ったり売ったりして収益を求める組織ですよね。
イスを作って売る会社ではイスを作る人、売る人が絶対に必要です。
じゃあ事務って何なんでしょうか。このイスを作って売る会社を例に挙げた場合、事務の仕事というのは
「イスを作って売るために必要な人数を揃える、雇った人が働ける様に制服のサイズを聞いて発注する」
「イスを作るために必要な材料をどれぐらい買ったか、どれぐらい使わなかったか計算する」
「売り上げ、売れ残りを把握」
「社内で使うコピー機の用紙を発注したり、壊れたら業者を呼んだりする」
この様なことをしているわけです。
大袈裟に言うと、管理部門はイスを作って売ることに直接関係しないのです。人を揃えるのも、経費を把握しておくのも絶対に必要なことなのは確かです。が、「作って売る」をより円滑に無駄がない様にするためのサポートというのが実際の立ち位置です。
つまり会社にとっては贅沢品です。ある程度の規模でやっていて資力があるからできる配置であって、1人や2人で会社をやっていたら、一日の仕事のうちほとんどはイスを作ること、売りに行くことに時間を費やすはずです。その他の事務作業は業務開始時や終了後にちょっとやる程度の配分になるでしょう。
話を戻しますと、家事や子育てなどで残業がしにくかったり、仕事だけに人生を捧げるのが難しい人にこそ、このサポート役が向いていることになるわけです。その為変わりつつあるとはいえ、現代でも尚家事や子育ては女性が主となって行う事が多いですから、事務職に女性が多いという構図が変わらないわけです。
デスクワークだから
上記の話の続きになりますが、同じ例えでイスを作って売るのが会社の全てだとすると、イスを工場で作るのは材料となる木材を運んだり加工のため機械に木材を投入したり、何かと力が必要です。
その様な作業にはどうしても男性の力が必要となります。そのため男性は極力作業に行ってほしい、と企業は考えます。人材も無限ではありませんから、せっかく男性の人材がいるなら作業を担当してほしいと考えます。
結果、力仕事には不向きな女性が事務を担当する場面が多いわけです。
人手不足で悩む所謂ブルーカラーと呼ばれる職種のある企業なら尚更です。
扶養内
会社によりますが、前述の通り管理部門なため、特に小さい会社では毎日作業をする必要がない、フルタイムである必要がないといったケースもあります。
そのため「週3日程度」「扶養内相談可」「1日5時間程度」という求人も多いです。
ということは、家庭の用事の比率が高い女性を想定した求人になるわけです。
「週3でもいいんです!」と男性が来たところで、いずれ結婚すればそうはいかないでしょう、という見方があるので「男性は・・・う〜〜〜ん。。。」となってしまうわけです。
経営者(雇う側)に男性が多いのもこの様なことが起こってしまう一因でしょう。
男性は事務職に応募しない方がいい?
断言しておきたいのですが、そんなことはありません。
当記事をお読み頂いているということは、少なからず事務職に興味がおありの方だと思います。いくらまだまだ事務職=女性のイメージがあるからといって、男性が事務職を諦めるのはもったいないです。
確実に男性の事務職は増えていまして、確かになかなか採用されず苦労する可能性はあるのですが、諦めず報ぼして頂きたいと思います。
男性は事務の仕事に受からない?:対策はある?

- 一番は受かりやすい会社を選ぶこと
- 男性が事務をやるデメリットはある?
- まとめ
ここまで男性が事務に選ばれにくい理由を解説しました。
ここからは事務仕事を希望する男性向けに対策を紹介していきます。
一番は受かりやすい会社を選ぶこと
一番の対策は男性が重宝されている事務職を探すことです。別記事にて企業が男性を求めている、又は男女関係ない事務の職種を私の経験から紹介していますのでぜひ参考にしてください。
「当社は事務といえば女性だ!」と決めている会社は残念ながらあります。
本来はダメなのですが、他の事務職が全員女性だから・・・等仕方ない事情もあります。
「そもそも応募者が少ないのにせっかく男性が応募してくれたのならぜひ作業をしてほしい!」ということもあります。「いや、事務希望で応募したのに作業はしたくないんだけど・・・」と言っても企業が採用したくないと言えばそこまでなので結局覆すことはできません。
ならば「男性が事務でもOK!気にしないよ!」という企業を求めていけばいいだけです。
男性が事務をやるデメリットはある?
採用率が低いこともあってか、男は事務をやらない方がいいよ!と言われる事があります。デメリットにも触れておきますと、給料が低いことは挙げておく必要があるかと思います。
管理部門である事でどうしても会社のメインの事業をサポートする形になってしまいます。
例えば不動産会社だとして、お客さんに部屋を案内する業務には会社としてもたくさんリソースを割きたいと考えますが、仮に繁忙期だとしても契約に結びついたことによる仲介手数料の管理や、働いている従業員の給料計算等はそう一気に増えるものでもありません。
イスを作る工場だとしても、イスの受注が増えれば工場でイスを作る人たちの作業は増え残業も発生しますが、事務仕事でやる材料や外注費、売上の管理は増えたところで必ずしも残業になるものでもありません。増えてもPCで入力する項目が増える、チェックする書類が増える等で、工場で実際にイスを作っている作業者に比べれば残業の度合いは緩やかです。
営業や作業に比べ残業は控えめであり、肉体を使わないので基本給も少なめに設定されている事が多いわけです。
男性は事務の仕事に受からない?まとめ
今回は男性が事務の仕事に就けるかどうかについて現場での経験を元に解説しました。
事務以外でも就業経験があれば30代未経験からでも可能性は十分ありますので、採用率の高い会社を狙って応募していきましょう。