工場の求人でよく見かけるワードに「寮完備!」「即入寮可能!」みたいなものがあります。
事務仕事ではあまり見かけませんが、工場の求人には非常に多い待遇です。
今回はその「寮」について、どんな条件で住むことができるか、家賃等はどうなっているかなど、これから寮付きの求人に応募してみようとしている方向けに解説してきます。
※基本的に派遣会社を通して工場の仕事に就くケースを想定して書いています。もちろん企業直接雇用で寮付きの求人もありますが、私はその経験はないので当記事は主に派遣で工場仕事をする方向けとなっております。
工場の寮ってどんな感じ?

私はこれまで多くの派遣の工場仕事を経験しており、中でも3社で寮に入り仕事をしたことがあります。2024年から現在までで、住んだ寮はこれまでで6物件です。比較的最近のシステムだけを知っていると思っています。
この様な経験からよくあるパターンとして解説していきます!
そもそも、なぜ寮がある?
人がたくさん必要
まず第一には人がたくさん必要なため、遠方からでも労働者を集める目的があるからです。
例えば岡山県の水島工業地帯(水島コンビナート)にある工場で、そこでは日勤夜勤合わせて2000人ぐらい人が必要だとします。
社員でも派遣でもいいとして、2000人を集めるのに岡山県の水島市に自転車や車、電車やバス等で通勤できる人だけでそんなに人が集まるでしょうか。
もちろん近隣の住民で言えば何万人も住んでいるでしょうが、その中で老人でも子供でも学生でもない労働世代であり、その中で仕事を探している人に限定し、更にその中から事務や飲食店など多くの仕事がある中で、他にも多くの工場がある中で、比較的キツい仕事であるその工場で働きたいという人を2000人も集められるでしょうか。
これはとても難しいのです。一般事務1人でも求人応募が来ない会社は来ない時代です。
岡山県の近隣だけでなく、お隣の広島県や兵庫県、果ては北海道や沖縄県からでも働く意欲がある人なら来て欲しいと考えて、待遇として寮を用意する会社がたくさんあるわけです。
遅刻などを防ぐため
特に大きい工場は騒音や廃棄物、ガス等多くの問題からあまり住宅地や街中に建設することができず、どうしても山の中、海沿い等僻地に存在することになります。
そうすると一般的に人が多く居住するエリアからは離れがちで、多くの人が通勤に時間を要する様になります。
例えば電車が遅れれば、程度によりますが大体の人は遅刻します。
たくさんの人が働く都合上、たくさんの人が遅刻する羽目になれば、特に人材をお得意先である工場に送り込んでいる派遣会社としては顔が立ちません。
こうした事態を防ぐため大きな企業で資力のある派遣会社では、なるべく入寮してもらい工場の近くに住んでもらって遅刻を減らすといった取り組みをしているところもあるそうです。
それなりに多くの派遣社員を雇用している企業に限定されるため少数派かもしれませんが、この様な考え方も存在するのです。
寮は誰でも借りられる?
自宅からの距離
基本的に経歴や健康状態等、その工場で就業OKなら大体入寮できます。
私はずっと妻と子を自宅に残して単身赴任スタイルで働いているのですが、あまりに自宅からの距離が近いとやんわり断られたケースも全くないわけではないです。
しかし多くの求人に応募し、派遣担当者と話している感じではあまり自宅からの距離を気にしている感じは無いと感じます。
これまでの就業経験で、本来の自宅から工場までの距離の最短は23kmです。JRで10駅。8時からの就業で6時過ぎの電車に乗れば自宅からも通えるレベルではありますが入寮できました。(まぁ電車で3駅など本当にすぐ近くなら遠方の方を優先したいでしょうし難しいのだろうと思いますが。)
もちろんこれはあくまで自宅が別にある私の話で、実家を離れその寮が自身の唯一の住み家となる場合はまた別でしょう。
寮から工場までの距離
それよりも多いのは寮に入っても車が無いと通えないですよというパターンです。
多くの寮は派遣会社が不動産会社を通し物件を借り、それを労働者に使わせるという形式をとっています。
そのため寮の場所はなるべく工場から近い場所にしますが、あまりちょうどいい場所に物件がないケースも多々あります。
そのため「入寮はできますけど工場までは徒歩だと2時間ぐらいかかりますので・・・」と、車が無い方にとっては就業不可能となるパターンが割とあります。
その場合はバイクや自転車を購入する前提で派遣会社と応相談となります。
審査はある?
私は一時事務仕事をやっていたことがありまして、その中で一番長く勤めたのが不動産を扱う会社でした。といっても仲介業をやっていたわけではないので、物件を貸している大家の立場となる会社です。
直接、または仲介会社を通して物件を貸して欲しいと依頼が来るので対応するのですが、派遣会社と見られる会社が借主となっているケースは何度も見たことがあります。
従業員とみられる方の免許証のコピーが添付してあったり、「近隣の◯◯という工場に勤めている方が使われる予定です」といったお話があったり様々ですが、基本的に派遣会社が借り、労働者が使うという情報は伝わっているとみていいと思います。
そこで大家として「この人が使うんならダメ!」といったケースはありませんでしたが「近隣の◯◯工場の従業員さんならちょっと・・・」といったことは何度かありました。
それは当該工場の従業員の賃料未納があまりに多かったからです。
工場で働くことになったのはいいものの、キツくてすぐ辞めて、物件の賃料も払わずそのまま逃亡する・・・といったことが何度も発生していれば断られることはあるかもしれません。
しかし派遣会社が借りているケースでは、何かあってもおそらくは派遣会社がちゃんと賃料を払うでしょうから大家さんもそこまで気にしないと考えられます。
初期費用はかかる?
派遣会社により様々ですが、よく求人サイトで見かける多くの求人では敷金礼金等は無し!と表記されています。
もちろん応募時や面談時によく確認することをおすすめしますが、まずは派遣会社のサイト、indeed等求人情報をよく確認しましょう。大体「初期費用は当社負担!」等と書いてあるはずです。
逆に、書いてなければ真っ先に確認しましょう。これから働きに行くのに最初に何万も払うのではマイナスが大きすぎますから。
家賃・光熱費は?
寮費無料の場合
寮費無料!とデカデカと載せている求人も多く見かけます。
無料!と書いてあればもちろん無料です。
しかし条件がある場合がほとんどで、「3ヶ月だけ無料」「無料だけど遅刻、欠勤したら自己負担」「すぐ辞めたら自己負担」等気をつけるポイントはあります。
ここは会社により、また求人により様々ですので面談時によくよく確認してください。
同じ派遣会社でも寮費無料もあれば全額負担のところもあります。
これは派遣先工場と派遣会社との取り決めで行っているパターンが多いようで、「派遣会社が賃料を全額負担しても大丈夫なぐらい、工場から派遣社員を使う費用を受け取っているから」に他なりません。
つまり太っ腹な工場の方が寮費無料で就業できるということです。
個人的にはこの様な工場での就業が一番おすすめです。資力のある工場というのは他にも、構内に食堂があったりコンビニがあったり、色々と待遇がいいからです。
寮費半額負担・一部負担・全額負担など様々
その他は基本的に我々労働者も寮費を支払うパターンです。寮費無料はそれなりにあるとはいえ一部ですから、大体は一部、または全額寮費を払う必要があります。
あとでモメたりご自身の生活が苦しくなったりしない様、条件はよくよく確認してください。
ちなみに寮費無料ではないが、その分時給が高く手取りが多く設定されているパターンもあるので、寮費負担が一概に悪いとはいえません。
これらは社会保険料の問題があるので正確には同じにはなりませんが、手取りは大体同じぐらいになります。
あくまで寮費も考えた手取りで、ご自身が納得いく条件で就業しましょう。
ちなみに寮費がどのくらいかは担当者に確認するのが一番ですが、それ以前の状況なら物件探しをするサイトで工場周辺のエリアに絞って検索して、1K等の条件で出てくる物件を見れば大体分かると思います。
光熱費について
寮費が無料でも光熱費は大体どこも実費負担になると思います。
特に一般的な一人暮らしも、派遣会社を通して入居する場合も光熱費に関して差はないですが、部屋の契約と同時に電気ガス水道の契約まで派遣会社が行なっているパターンと、部屋は派遣会社だけど電気ガス水道は自分で契約しなければならないパターンの2つがあると思います。
自分で契約する場合は3社それぞれに電話し、引き落とし口座の設定等も契約しないといけないのでちょっとめんどくさいのと、ガスは立ち合いが必要だったりして入寮当日は不便になる可能性があります。
この場合は大体入寮前に派遣会社がそれぞれの連絡先と共に入寮までに契約してくださいねという話をしてくれるので大丈夫とは思いますが、ガス開栓の立ち合いと勤務開始日が被らない様に気をつけてください。
ネットはある?
私の経験上、無い場合が多い印象です。派遣会社の待遇というより物件がWiFi完備!としているかどうかだと思いますが、どちらかというと派遣会社もその様な好条件の無い安い物件を選ぶでしょうから、無い前提で動く方がいいと思います。
寮のネットに関しては別記事でも書いているので合わせてお読みください。
※上記記事作成当時はコンセント型が一番だと思っていましたが、最近ではそれすらめんどくさくなってきたため無制限のポケットwifiを利用しています。
どちらもおすすめです。
他人と共用のこともある?
昔は4人部屋等もあったのでしょうが、最近の求人では寮付きと言えば単身で一般的なその辺にあるアパート暮らしと考えていいと思います。
しかし絶対そうかと言われれば最近でも「同僚と2人暮らし」という話を聞いたことがありますし、分からないので確認は必須です。
私が最近見た求人ではとある島にある工場に島内の寮に住んで就業という形で、「水回りは共用」というのがありました。
おそらく風呂トイレ水道が共用なのかな?と思いますが、昭和を感じさせる古い寮ですね。
ちなみにそこは光熱費無料で食事付きと、高待遇ですが島に住まないといけない等、高待遇の裏には色々とあるようです。
家具は付いている?
ここも要確認ポイントですが、大手の派遣会社なら大体ついています。派遣会社が所有している家具をつけてくれるということです。冷蔵庫1日40円、テレビは1日30円、等といった料金でレンタルする形になります。
レオパレス等派遣会社と関係なく家具付きの物件で対応しているところもあるようです。
また、洗濯機、冷蔵庫などを派遣会社が別でレンタルするところもあるようです。
物件にそもそもついているのは別として、派遣会社にしろレンタル会社にしろ、家具のレンタル料は実費になると考えてよいでしょう。
ちなみに私はこれまで冷蔵庫、洗濯機、布団、電子レンジ、テレビを毎回レンタルしてきましたが、3社とも8,000円〜1万円ちょっとぐらいで収まっています。同僚では自転車を借りていた人も多いです。
例の通り寮付き工場仕事は田舎暮らしになりがちなのでスーパーに行くのも大変・・・ということもありますから。。。
布団は枕1日◯円、毛布1日◯円等全て別で勘定されているところもあり、ある程度自分で用意すると節約になるかもしれませんね。
就業を続けお金ができてきたらテレビは自分で買い返却するとか、ちょっとずつ揃えて行くのも面白いと思います。
ちなみに
冷蔵庫等より入寮後すぐに困る可能性があるのはトイレットペーパーです。
あと入寮は朝か昼に行われると思いますが、夜になるとシャンプーが欲しいはずです。
食事はコンビニ等でもどうにかなりますが、特にトイレットペーパーはお腹が痛くなってトイレにこもって初めて無いことに気付くケースもあるので注意してください。
私が危なかったのは、たまたま夕方気付いて買っておいたためよかったものの、田舎のため夜にはコンビニが閉まっているエリアだったことがありヒヤッとしました。
また、小さいコンビニだとトイレットペーパーやシャンプーは無いこともあるためこの点も注意が必要です。
決まりごとはある?
ちょっとしたことは多々ありますが、足音やテレビの音量、洗濯の時間等一般的なマナーを基準として考えれば問題ない程度です。
一回特殊なものがあって「揚げ物は禁止」といわれたことがありました。
おそらく単身者が多いため火の元には特に警戒する必要があり、中でも揚げ物は危険だと判断したのでしょう。
私が経験した中ではホテルやマンスリーマンション等短期物件を除き喫煙は全面禁止でした。
家族も住める?ペットは連れて行ける?
家族はまぁまぁ相談可能としているところもある気がしますが、少数派だと思います。広めの物件を手配できるところではあるかもしれません。
ペットはほぼ全て禁止と考えていいと思います。
しかし最近ではペット可物件も応相談!としているところもあり、物件があれば対応可能というところもあるようです。
できるかは別として、ここまでくると逆にまず「ペット可物件から行ける工場はありますか?」と派遣会社に相談した方がいい様な気もします。
個人的なイメージでは超大手よりも中堅ぐらいの規模の派遣会社にあるイメージです。その辺りの待遇で大手と差をつけているのかなという印象です。
実際我々が働く現場は工場なので、どの派遣会社を通して行っても大抵は同じ現場で働くことになります。なら生活環境等の待遇で決めたっていいと思います。
求人が多すぎて決められないという方は、この様な面からも検討してみるとよいでしょう。
退去費用は?
最近では派遣会社の正社員となり無期雇用となる形式も増えてきましたが、派遣会社を通している以上は工場直接の社員ではないですし、体力的な面もありなかなか生涯そこで働き続けることはないと思います。
慣れた仕事でもいずれは去ることを考えなければなりません。
そうすると気になるのが退去費用。私が経験したことのあるいくつかのパターンを解説します。一部は同僚から聞いた話も含まれます。
※全てタバコやゴミ、その他ひどい傷や汚れ等の特別な清掃費用は発生してないことを前提とします。
考えられる最悪のパターン
寮費無料や半額補助の場合であっても、退職、退寮月の家賃補助は無し、清掃費用2万円程というパターンです。
つまり仮に通常家賃4万円で寮費無料で働いていた場合、退寮月は4万円+清掃費用の2万円で6万円も給料から引かれてしまうパターンです。
通常の経年劣化でも清掃費用がかなり高めであり、これが経験上最悪のパターンかと思います。
そして退職申し出から1ヶ月以内に退職した場合(つまりいきなり「今月いっぱいで辞めたいです」と言ったパターン)は翌月の寮費も丸々支払いとなることもあります。退職代行などで突然辞めると、退職自体は成功しますがこの様なペナルティーは避けられませんのでご注意下さい。
まぁ、現実にはそこまでしてでも辞めたいことは普通にあると思うので、精神を削るかお金を削るか、だと思います。
最高のパターン
清掃費用数千円のみで終わり、といったパターンです。
もちろん急に退職すれば1ヶ月分は満額支払い、等は同様について回る可能性がありますが、1ヶ月以上余裕をもって退職を申し出、円満に退職・退寮すれば数千円の支払いのみで終わるパターンもあります。
何にしても就業先決定後や研修の時、雇用契約の時等にまず間違いなく寮に関する誓約書みたいなものにもサインすることになるはずなので、キッチリ確認しておきましょう。
ちなみに私の経験上最安は日研トータルソーシングの2,000円のみでした。大家さんの意向など物件による可能性もありますが、さすがは大手だなと感じました。
追加費用
最初にも書きましたが、念の為書いておきます。
室内でタバコを吸っていた、コンロ等による火災の焦げ、焼け、ペットを飼っていた、ゴミを溜めすぎて取れない汚れとなった、椅子や食器棚、ハンガーラック等処理できず置いて退寮した等々で追加費用が発生する場合は上記に加え追加で請求されます。
また、引越しに準備に時間がかかり退寮が遅れると家賃を日割りで請求されることもあるようです。退職が決まる話の中で、大体は立ち合いがあるので日を指定されて言い渡されると思いますが、退職日と同時に「退寮日」も確認しましょう。
私は追加費用の経験は一回もないですが、まぁこの辺りは最初の研修があればしっかり言われることと思いますし、お仕事関係なく普通に部屋を借りても注意すべきことなので想像はつくと思います。
特に火災になると請求は百万単位に及ぶこともあるそうなので気をつけて生活しましょう。
工場の寮ってどんな感じ?寮付き求人でよくある一般的なシステムを解説!:まとめ
今回は工場求人によくある寮に関するお話でした。最後に確認すべきポイントをまとめます。



